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吉川晃司/ラヴィアンローズ(LA VIE EN ROSE)

ブログってすごい方だと、一日数回記事をアップしてますが、あれってもうブログが仕事の大半を占めてますよね?あんなに長い文をそんな短い間隔で更新してると思うと、上には上がいるなあと思い知らされるばかりでございます。

さて、80年代歌謡曲レビュー、今回は、吉川晃司さんの3枚目のシングル曲でもあり、アルバムタイトルにもなりました、「ラヴィアンローズ(LA VIE EN ROSE)」について書きたいと思います。

その3
アーティスト名:吉川晃司
曲名:ラヴィアンローズ(LA VIE EN ROSE)
作詞:売野雅勇
作曲:大沢誉志幸
編曲:大村雅朗
発売日:1984年9月10日

作詞は、私の好きな中森明菜さんや河合奈保子さんほか、一度は聴いたことのある歌謡曲を多く手掛けた売野雅勇さん。作曲は、「そして僕は途方に暮れる」の大ヒットでおなじみの大沢誉志幸さん。そして編曲は、いつもタイトなリズム隊と少ない音数できっちりまとめ上げる、私の大好きな大村雅朗さんです。

つとに歌謡曲にハマったからこそ、この3人のタッグの豪華さが分かるのですが、なにせ私が20代の頃は、クラブミュージック、しかもアングラであればあるほど尖ってかっこいい、イケてると思っていた口ですから、売れてる曲がなんぼのもんじゃいって思っている時代がありました。

ましてDJでかけるテクノというジャンルの曲は、基本インストゥルメンタル、つまりボーカルが入っていなくて、リズムだけでいかに躍らせるかが勝負どこになっていました。そこに歌謡曲、いわゆるJ-POPの前進くらいにしか思っていなかった私にとって、「ボーカルを聴かせるために、バックトラックや楽器はうスーく流れてて、あってもなくてもみたいな感じでしょ。現に人気の出るバンドとかは、大体ボーカルが売れて、周りのパート(ドラム、ギター、ベースなど)を差し替えてもなんとかなるんでしょ」と、今考えると恥ずかしい思考全開でした笑

このお三方のお話は後述するとして、歌謡曲をあれこれ聴いているうちに出会ったのが吉川晃司さんの曲です。私の中の吉川晃司さんのイメージは、①DonDokoDonのぐっさんがモノマネをする肩パットがスゴいスーツを着ていた人(モニカの頃でしょうか)、もしくは②テクノDJのDJTASAKAと、今は亡きテクノトラッカーKAGAMIがタッグを組んだ「DISCO TWINS」が作曲した”JuicyJungle”でボーカルだった人、くらいにしか思っていませんでした。後は、布袋寅泰とのCOMPLEX(曲は聞いたことない)の片方の人ですかね。

そもそもが、なんか怖そうな人の曲って聞かないんですよ。今で言うとEXILE系、湘南レゲエ系、金ネックレスジャラジャラ系HIPHOPいとうせいこう近田春夫のは聴く)などですね。音楽ってファッション要素も強いので、この辺の怖い曲を聴いても、カッコまでは真似したくないな-ーできないなー、じゃ聞かないっていう構図です。

でも、80年代に活躍した人だし、デビュー曲の「モニカ」くらいしか知らなかったので、ラヴィアンローズってどんな曲だろうって聴いてみたら、めっちゃ音圧高くてリズムもダンスっぽくてタイトだし、しかも吉川さんの声、素敵やん。ってなったんですよね。

リズムの出だしなんか、口で言うと、ヅヅタタ、ヅヅタタって、そのままクラブでかけてもいいくらい踊れちゃうリズムになっていて、なんなら吉川さんのボーカルよりも前に出てるんですよ。

謡曲ってこの曲に限らずなんですけど、リマスタリングされたCD、いや当時のレコード直録音でもそうだと思うのですが、意外と音が分厚いことに気付かされます。このラヴィアンローズも、曲の隙間がなくみっちり詰まっている感じ、でも圧迫感がない、絶妙な編曲に仕上がってます。音が重なりすぎるとうるさくて長く聞けませんし、逆にスカスカ過ぎてもボリューム不足でのっぺりしてしまいます。このあたりは編曲の大村さんのナセル技ですね。

メインリズムの他に、ちょっとずつ使うおかずの音や、音のメリハリがきっちり効いて、それでいてボーカルが埋もれない。しかも今から30年も昔でこのクオリティ。私もDJの延長で曲を作っていましたが、やはりプロはスゴい、俺がやっていたのは趣味の範疇だ、って思えるくらい、そのくらい差があります。

作曲の大沢誉志幸さんも、自身の曲はファンキーな感じが多いのですが、中森明菜さんの「1/2の神話」や沢田研二さんの「晴れのちBLUE BOY」など、ボーカルの人をきちんと立たせる曲を提供しています。ただ、大沢誉志幸さんは、自分のライブでもアーティストへの提供曲を結構歌うらしく、このラヴィアンローズなんかは、吉川晃司さんに上げなきゃよかったーって言ってる記事を見たことあります笑。それくらい、会心のできただったんですね。

作詞の売野さんもたくさん書きたいのですが、なにぶん私がテクノ出身のため、どうしても曲そのものやリズムに目が行き勝ちになり、歌詞の凄みってのがまだあんまり響いてこないんですよね。そこが分かるようになってから、曲のレビューをする時にかけたらなと思います。

んでボーカルの吉川さんですが、まあーいい声してるわ。何回聴いても飽きないというか、サザンの桑田さんやチューブの前田さんのように、癖が強い!(by千鳥)独特のうたいまわしというか、たまに何言ってるか聞き取れない言葉がありますもん。

また、甘いささやきのような、ちょいワルっぽい声というか、あんまり表現うまくないですが、女の子がキュンキュンしそうなトーンです。この頃の吉川さん、まだ若いせいか、声も少し可愛らしい感じが残っています。最近のライブの動画とか見ると、めちゃワイルドですからね。

なんか、長渕剛も昔は普通だったのに、いまじゃ癖がスゴいですもんね。「っうぉい!」みたいな。え、今なんて言ったの?っていう歌い方ですもん。HIT曲のアレンジがすごすぎて、原曲ってどんなんだっけ場合もありますから。

長渕さんはまた別で曲の感想を書くとして笑、話を戻します。曲のタイトル、「ラヴィアンローズ」ですが、フランス語で”薔薇色の人生”っていう意味だそうです。うーん、吉川晃司さんにピッタリ。ちょうどモニカでヒットを飛ばして、続くセカンドシングルの「サヨナラは八月のララバイ」も売れて、飛ぶ鳥を落とす勢いでしたから、このタイトルでも嫌味なく受け入れられたんだと思います。そりゃそうだと。

しかし、こんないい曲を今まで知らずに過ごしてきたのがもったいないくらいです。みなさんも、「あー吉川晃司とかいたなー」と過去の人して見るのではなく、もう一回聴いてみてください。最近の大量生産の曲に耳が慣れていると、「あれ、こんなにカッコイイ曲だったっけ」と思うはずです。

しかも、何度も聴くうちに、あ、こんな音もなっていたんだ、ここの歌ってるパートいいなあ、癖になるポイントがいくつも散りばめてあります。今と違ってそんなにたくさんの曲をポンポン出せるわけではないので、より長く聞ける曲が作られていた良き時代の、豪華な曲に耳を傾けてみてください。

またYouTubeの動画上げときますねー。吉川さんのパフォーマンスにも注目です。

www.youtube.com