djemprの音楽帝国

テクノDJのDJえんぺら~が、音楽の話題を軸に帝国を作り上げるブログです

岡村孝子/はぐれそうな天使

相変わらず歌謡曲大好き人間DJemprが、世の中のトレンドや流行りの曲を完全無視して書きなぐるこのブログ、なんと今回で10レビューを迎えました~。更新頻度は去年の秋からみるみる空いてしまってますが(笑)、やはり書き続けるってのは大事ですね。

自分の思っていることを、定期的にアウトプットしないと、水が貯まる一方で腐ってしまいますから。重たいカラダに鞭打ってでも書く、とにかく書く、この姿勢を忘れないように、前を向いて進んでいきたいと思います。

さて、今日の歌謡曲は、これまで1曲しか自分のスマホに入れていなかったけど、YOUTUBEでDIGっていたらいい曲あり過ぎで広がってしまった、そんな元と鳴った曲を紹介します。

その10
歌手名:岡村孝子
曲名:はぐれそうな天使
作詞:来生えつこ
作曲:来生たかお
編曲:船山基紀
発売日:1986年3月20日

この曲は「OLの教祖」と言われた岡村孝子さんの3枚目のシングルです。世間的には、「夢をあきらめないで」が有名かと思いますが、こちらの曲もその次に来るぐらいの代表曲ですね。作詞作曲は、哀愁漂うアイドルソング書かせたら右に出るものはいない「来生兄弟」です。

来生たかおさんは提供したアイドルソングを自分でも歌ってHITを飛ばせる貴重なシンガーソングライターで、筒美京平馬飼野康二と並ぶ、80年代を代表する作曲家さんです。どこか影のあるような、そんな陰と陽なら「陰」のアイドル(失礼!)を担当することが多い印象です。主な提供アイドルは、中森明菜薬師丸ひろ子斉藤由貴など、めっちゃ元気&ハッピーって感じではないですね。1曲1曲しっかり聞かせる楽曲は、聞けば聞くほど味の出る、スルメソングのようですね。

それで、岡村孝子さんに提供した「はぐれそうな天使」ですが、これ結構めずらしいんですよ。というのも、岡村孝子さんって自分で作詞作曲するシンガーソングライターなのに、なんで来生たかおさんの曲を歌ったのかなーという疑問は残ります。ですが、そんな疑問が吹っ飛ぶくらいに、岡村孝子さんの中でもじわじわと元気が出る曲なんです。ピアノとシンセ打ち込みの重なり合いがとても心地よく、特に少しためてからはいるサビなんて、何度聴いてもぐっとくるものがあります。(この技法、なんていうのでしょうか?少しサビを歌ってから楽曲が後から入ってくる、うーん、テキストにするのは難しい・・・)

作詞はお姉さんの来生えつこさん。弟の来生たかおさんとの共作が多いですね。なんか兄弟で仕事ができて、しかも売れっ子なんて、とっても稀有なポジションだと思います。歌詞の内容は岡村孝子さんワールドにぴったり(笑)。好きな人がいるのに、なかなか勇気が出ずに足踏みしている。そんな様子を応援するかのように、まわりの天使たちがけしかけている様子が目の前に広がります。

歌詞も「歌の詩」というように、いかに限られた文字の中で、その心情や情景を表現できるかが、聴いている人の心に刺さる重要な要素だと思っています。来生えつこさんはそのサジ加減が絶妙な詩を書いてくれるので、アイドルの儚い部分に色付けさせたら右に出るものはいませんね。

んで編曲は、筒美京平さんとの仕事が多い船山基紀さん。これがま~いいアレンジなんです。使われている音色の豊かさもさることながら、先程作曲の枠に出した「サビの前のタメ」の部分や、後ろで微かに鳴っているおかずの音色など、トータルの完成度に恐ろしくなります。編曲は幅広い楽器を知っていないと、メインやサブなどうまく音色を配置することができないので、そういった意味ではある意味作曲よりも腕が問われるポジションと思っています。この曲も、出だしのベース音からの跳ねるようなつんざくピアノ音と耳に優しいスネア音の広がり、耳を凝らすと様々な音色が使われているにも関わらず、どこを切り取っても無駄な音が一切ないことに驚かされます。

昨今、作曲家はいまだ憧れのポジションにありますが、新進気鋭の編曲家が出てこないことに危機感を覚えています。PCでDTM環境が整っていれば、自分で作曲し、いくつか音色をつけてばそれを編曲と呼ぶ、それでいいのか音楽業界と思ってしまいます。やはり編曲にとことん打ち込んた人だけが到達できる領域において、原曲と編曲の違いをはっきり出すことで、新たな音楽シーンの底上げにつながると信じています。

後半だいぶ横道にそれてしまいましたが、恒例の動画です。若いころはまだ「あみん」のころの岡村孝子さんだなーって感じですが、年齢を重ねるたびに美しくなっていくので、その移り変わりを時系列で追っていくのもアリかなと。岡村孝子さんの歌声ってうまいと思うのですが、時々あれってなる時もあり、この人うまい、うん、うまいよな、と確認しながら聴いている自分がいます。それだけ特長のある歌声ですし、聴いてて癒やされる声質の持ち主ですね。

www.youtube.com